いきなり芸大を目指す漫画

美大やアート系、物づくりの職人、大抵口下手であります。何故かといえば、、作品を見てもらえれば分かるから口で説明する必要はないと思っているから。

私もそう思うので、やたら喋るデザイナーという人はどうも信用できない。口で作品の出来なさをカバーできると思ってんのかね?と思うのだ。だから総じてみんな口下手でプレゼン下手ともいうのか、、。

友人からこんな漫画あるんだよーって紹介されて一気読み。友人は私がどういう経路で美大へ行ったかを漫画を通して体験しているようだ。。。旦那はこんなの無理って言ってたけど。。。(笑)

『ブルーピリオド』

 ほんとに多分みんなが思ってる事を活字にしてくれているというか、、予備校の先生の言っているような事がすでに学校を卒業して何十年もたっている私は共感できる。

まさにこんな世界を過ごしたんですよね。

美大を受ける。これはとても勇気がいること。親がデザイナーだったり、漠然とお金もある家だし、っていう人は意外に少なく、、この漫画の子は高校2年だったけど、中学から思うか、高校から思うか、それくらいの差なのではないかと思う。

才能がなければ受験できない。。。私もそう思っていたから悩み、高校2年でようやく東京のいわゆる二大私立を目指そうと決めた。かなり遅いスタートだったけど小学生から絵画教室に通い、油絵を習い、高校まで描いてても、、、自信は全くなかった。

もう元に戻れない。やるならやるしかない。そう思うまで時間かかりましたね。

静岡の予備校へまず通い、浪人して東京のいわゆる有名どころの予備校へ通い、衝撃をうけ、、先生からして漫画のような、、漫画よりも強烈な先生で、、今まで何してたんだ??と思うくらい。そこから一年、ガリガリガリ描きまくる日々。

 

複数の違うもの(ガラス、果物、野菜、布、木、セメント)を置かれたものを三時間、四時間で予備校で描く訓練。その際にたった一枚の中に自分を表現できるタッチに加え、質感、光、距離感、空間感、色、全てを描く。そのために全神経を集中させて描く。

 

あの訓練をやるかやらないか、、やらなくて美大に行ける子もいるだろう。でもそれは天才なのかも。ほぼ大多数は、その訓練の中で自分というものを掘り下げていくことも一緒にやる。自分って何?何を目指す?何を表現する? 自分をまず知る事が大事なのだと気がつかされるのです。だからこの訓練をした人はやっぱり強いと思う。限界を知るというか・・・

 

漫画を見て、自分が予備校から美大へといく過程で通り過ぎたものを思い出す。。。

 

だけど美大に行っても、仕事でうまくいける可能性が100%じゃない。私の周りも20年後の今仕事でデザインをやっている人は何%なんだろうか?という感じ。

また社会に出た時に壁にぶち当たる。今までは自分の好きなものを作ってれば良かったのが、今度は売れなければいけないデザインにしなくてはならない。

そして一番の問題は、こーゆう人たちとは付き合えないなと思って避けていた人種と仕事をしなければならないという点。美大にいるような人達は少数になる。という事。

だから今ムサビなどは学力優先とも言われているけど、社会性がとても大事になってくる。

もしくは、周りに自分の作品を代弁してくれるような人がいるという事が大事になる。

作ったものが全て。の世界はやっている限り、終わりがない。