何十年も捨てられない本
本のカビくさい匂いというか、古い本の匂い、、これを買ったのはいつだろう??というくらい古い本。
私がものすごく好きな作家の1人、向田邦子さん。多分亡くなった時、10歳ということは小学生か、、さすがに10歳では読んでいないけど12歳か13歳くらいの時にたまたま本屋で平置きしてあった本を立ち読みして、なんかそのまま買って、面白いので次から次へと買って、、
「男どき女どき」「思い出トランプ」「あ・うん」・・・
何事も成功する時を男時、めぐり合わせの悪い時を女時という――。
ストレートなのだけど、ストレートじゃない。そのままを見るだけじゃなくて、その奥のものを見るというか、、向田さんの本を読んだ時ものすごい衝撃を受けたのを覚えている。
また向田さんが素敵な女性というのも好きになった理由。綺麗でスっとしてて働く女性ってこんな感じなのか、、と当時思ったり・・・
久しぶりに読んだ向田さんのお父さんをモチーフに書かれている「父の詫び状」。
古本屋の匂いがしてくる、、、新しいやつ買おうかな、、、と思ったくらい、、色あせている。。
すごく昭和のお父さんで、、怒鳴り散らすとこやワガママな所も自分の父親に似ていたけど、でも、邦子さんのお父さんは本当に娘の事大事にしていてやっている事が愛情の裏返しというか、うちの父親もこの10%でも娘に愛情を持っていたのかなあ、、と思ったり(多分なかったと思うけど)、めんどくさいお父さんだけど憎めない、そんなお父さんと傍にいるお母さんの組み合わせがとても生き生き描かれてて大好きな一冊。
飛行機事故であっけなく、、この世から去ってしまったけど、もう何十年も経っているけど古さを感じないのです。