ライオン 〜25年目のただいま〜  LION ☆☆☆★

インド人の(スラムドッグミリオネアの主役の子)お話。
友人はもっと予告編のイメージで軽い明るいタッチを期待していたけど、予想外に重く深く、、、
でも海外のポスターのイメージ通り。日本版はかなり客寄せのため明るい軽いタッチにしているのが分かる。


電車を乗り違えて自宅から数千マイル離れた場所で迷子となった5歳のインド人少年であるブライアリーを中心に展開される。彼はオーストラリア人夫婦の養子となり、それから25年後にGoogle Earthを駆使して実の両親を探し出す。

今どきです。グーグルで自分の元いた場所を探し出すという設定。
でもこれは実話だということ。

インドを題材にした映画は、インドを訪れた時のように、なんともいえないショックを受ける。
日本だったら、新聞を読む人も多いだろう。テレビがある人も多いだろう。でもインドはそうじゃない。そして同じインドでも全く異なる言語を話すため、端から端へと移動した場合何も通じなくなってしまう。

日本にいるインド人の友人は、多分こういう映画は好きじゃないと思う。
とかくインドいえばスラム、貧困などが題材にされるわけだけど、インドはカースト制度が残っていて、スラムはスラムで最悪かもしれない。でもテレビがなくても新聞がなくてもその日暮らしでも家族は幸せだったりする。また中級以上でITか医者にならないと負け組、、みたいな感じで受験戦争をしているヒト達はそれはそれで大変なものがある。これは「きっと、うまくいく 3idiots」を見ればよく分かる。インドの人にとって(映画などをみれる階級ってことですね)、この映画の方が断然評価が高い。盛り沢山、内容も良い。多分インド=スラム という表現はされたくないんだと思う。

ただ、インドに行った時、なんともいえないショックをうけ、日本だったら無いだろう光景に驚くのは確かで。

本当にこのオーストラリアの夫婦が引き取った二人。たった二人。。年間8万人もの子供が迷子や親がいなく施設に入るという現実。その中のたった二人の中にこの子が入ったというのは奇跡だと思う。そしてちゃんとした親御さんで、、それこそ人身売買にされる事もなく、その点は本当にラッキーだったと思う。最後、実の母親と会えた事も。そしてその時、あの貧しい家の集落のヒト達がみんなで喜んでくれてた光景が、、うーん、カースト制度っていい部分もあるんだろうなと思った。